奨学金の基本
奨学金制度とは?
奨学金の支給は日本学生支援機構(JASSO)が行います。
経済的理由で修学が困難な優れた学生に学士の貸与を行い、また、経済・社会情勢等を踏まえ、学生等が安心して学べるよう、「貸与」または「給付」する制度です
奨学金の種類
給付奨学金(返済不要) | 給付型奨学金の対象となれば、大学・専門学校等の授業料・入学金も免除又は減額される。 | |
貸与奨学金(返済必要) | 第一種奨学金(無利息) | 利子のつかない奨学金。 |
第二種奨学金(利息あり) | 利子のつく奨学金。 |
奨学金には「貸与型」と「給付型」の奨学金があります。
一方貸与奨学金には第一種奨学金(無利息)と第二種奨学金(利息あり)の2種類があります。
2020年4月から返済不要の給付奨学金制度がスタートしています。世帯収入の基準を満たしていれば、成績だけで判断せず、しっかりとした「学ぶ意欲」があれば支援を受けることができます。
給付奨学金(返済不要)│JASSO
第二種奨学金の貸与利率は2種類あり、第二種奨学金を申し込む際にいずれか一方を選択します。
- 利率固定方式
貸与終了時に決定した利率が返還完了まで適応される方式。将来、市場金利が変更した場合も、利率は変わらない。 - 利率見直し方式
貸与終了時に決定した利率を、おおむね5年ごとに見直す。将来、市場金利が変動した場合は、それに伴い利率も変わる。
奨学金の返済方法と返済額・返済回数
奨学金の返済は貸与終了の翌日から数えて7か月目に始まり、金融機関からの口座振替(リレー講座)によって行われます。
引き落とし日は毎月27日になります。借りた総額で月々の返済額が決まります。
貸与総額に対する「返済額」「返済回数」の例です。
上記例の場合、2018年4月に4年生大学に入学・2022年3月に卒業。在学中は月に5万円・4年間で貸与総額240万円です。
2022年10月から返済が開始。毎月約1万4千円を返済するとすると...完済までに15年かかります。22歳から返還を開始した場合、37歳でやっと完済できます。
また、0.3%の利息付きのため、約5万8千円が上乗せされます。
奨学金の返済状況を確認するには?
スカラネット・パーソナルに登録・利用しよう

毎月なんとなく引き落としされていて、自分の返済状況が分かっていない人は多いと思います。
日本学区制支援機構のホームページにある、スカラネット・パーソナル(スカラネットPS)に登録することで自分の奨学金情報の閲覧・確認ができます。
スカラネット・パーソナル(スカラネットPS)
メモ
私の奨学金の返済状況
私の奨学金返還状況
- 種類:第二種奨学金
- 利率算定方式:利率固定式
- 月賦返還残額(元金):815,587円
- 割賦方法:月賦
- 月賦返還残回数:57回

しかも、私の場合利率固定式で、貸与終了時の利率が現在より高いです。
※2021年9月時点の年利は0.268%
現在の利率は私の時と比較して低額です。貸与終了時の私はこのような知識がなく、両親に言われるがままに利率固定方式にしていました(おそらく両親も知識がありません。)
両親の責任ではありません。私自身が返済するのだから、しっかりと自分で調べて納得した上で決めなければならなかったのです。
奨学金の繰り上げ返済のメリット・デメリット
繰り上げ返済のメリットは大きい!しかし…
日本学生支援機構の奨学金は、全額もしくは一部の繰り上げ返済が可能です。繰り上げ返済の手数料は無料です。
日本学生支援機構の繰り上げ返済は「期間短縮型」です。毎月の返済額は今までと変わらず、返済期間が短くなります。
第二種奨学金の場合は、繰り上げ返済した回数分にかかっている利息を支払わずに済むので、返済総額が少なくなります。
確かに繰り上げ返済をするメリットはあります。しかし現在の貯金で繰り上げ返済し、貯金がほとんどなくなった場合、万が一、病気やケガで収入がなくなってしまったら…
繰り上げ返済をおすすめできない理由
繰り上げ返済をおすすめできない理由を考えてみました。
- 低い利率で借りている
- 今後大きい出費が控えている
- 生活防衛資金がない
① 低い利率で借りている
2012年~2020年の卒業時(3月)の固定利率は以下の通りです。
卒業時 | 2012年 | 2013年 | 2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 |
固定利率 | 1.08% | 0.82% | 0.63% | 0.16% | 0.33% | 0.27% | 0.14% | 0.070% | 0.268% |
2013年以降は1.0%を下回っていますね。奨学金の利率よりも更に高い金利で借りている人は、そちらから返済することを優先して良いと思います。例えば車のローンや形態の端末を割賦払いで支払っている人等ですね。
② 今後大きな出費が控えている
残りの返済期間中に大きな出費を控えている人は、繰り上げ返済または返済額を検討する必要があります。例えば車の買い替えや引っ越し、教育資金等です。
銀行の自動車ローンの金利相場は2~4%程度です。利率1%の奨学金を繰り上げ返済して、2%の自動車ローンを組むのであれば、今ある資金を車購入資金に当てた方が良いと思います。
③ 生活防衛費がない
生活防衛費とは、生活の支出に備えて預金などに置いておく資金です。この生活防衛費として、給料または月々の生活費の半年~1年分、2年分必要であるとする意見まで幅があります。
ケガや病気で働けなくなり収入が減少する、急な出費があった時に使えるお金がなくなるのであれば、繰り上げ返済すべきではないと思います。
私の今後の返済プラン
現状とライフプラン
私の現状とライフプラン
- 独身・一人暮らし・持病なし
- 医療保険加入中
- 休職中でも一定の割合分の給与支給あり(期間限定)
- 昨年新車を購入、引っ越しをしたため現金預金が少ない
- 結婚・出産等の予定なし
- 来年は旅行に行きたい
- 10年は車を買い替える予定はない
- 2023年に車検あり
- 引っ越しは未定(少なくとも今後1年はない)
- 奨学金返済額を投資・預金に回したい

繰り上げ返済シュミレーション
では、一部繰り上げ返済するとどの程度利息が少なくなるのか検証してみます。
が、奨学金専用のシュミレーションができる専用サイトは見つけることができませんでした。
しかし、奨学金以外のローンでシュミレーションができるサイトはいくつかあります。実際に使用してみましたが、繰り上げ返済のシュミレーションができました(数百円単位で誤差があり、100%正確ではないかと思いますが、おおまかな計算は可能です。)
以下は私のシュミレーション結果です。
繰り上げ返済なし
- 月賦返還残額(元本):約80万
- 月賦返還残回数:55回(4年7ヵ月)
- 返還総額:約83万円
繰り上げ返済あり
- ボーナス月(6月/12月)に各10万円繰り上げ返済(計4回)
- 月賦返還残額(元本):約80万
- 月賦返還残回数:28回(2年4ヵ月)
- 返還総額:約81万円
ボーナス月に10万円を繰り上げ返済することで、結果として繰り上げ返済なしと比較して約2万円の減額・半分の期間で返済可能という結果でした。
約2万円・半分の期間という結果をどう思うかは人それぞれですね。
まとめ
- 繰り上げ返済は早ければ早いほど良い
- ライフプランと貯金のバランスが大切
- 余剰資金がある時に繰り上げ返済をすることも一つの手段
- 返済が困難な時は救済制度を活用する
私の場合、気が向いた時に繰り上げ返済をし、自分の返済状況を把握せず、ただ引き落としされていました。もっと計画的に返済していれば今頃…自分を責めます。
後悔しても仕方がありません。借りたものは必ず返します。
ーfinー